こんにちは、マンモスいちご園です!
ようやく2026年に向けて、苺の苗づくりもひと段落しました。
ということで、とても遅くなりましたがこの記事を書いています。
普段は5月終わりごろに少しだけヒマになり、そのタイミングで書くことをまとめています。
ただ今年は6月まで営業を続けたためタイミングを逃してしまい、気づけばこの時期になってしまいました。
遅くなってしまいごめんなさい。
まずは、改めてお伝えしたいです。
2025年の営業も沢山の方にご来園いただき、無事に乗り切ることができました。
ほんとうにありがとうございました!
営業中に皆さまにかけていただいた暖かいことばはとても励みになりました。
マンモスいちご園を応援してくださり本当にうれしいです。
思えば今年は、あまり苺のとれない年になってしまいました。
思い当たる原因はちゃんとあります。
私たちは本当にまだ未熟なのだと思い知らされました。
もちろんこのままでは終われません。
来年リベンジして、美味しいいちごをもっとたくさんの皆さまに味わっていただけるよう精一杯がんばります。
それでは、こんどは2026年シーズンにお会いしましょう。
ありがとうございました!

以下、園長のひとりごとです
今回でいちごを育てて10年目の年でした。
何年やっても毎年ちがう、とむかし教わりましたが、その言葉どおりやっぱり毎年のいちごの育ち方は違いました。
でも、違うからこそ毎年学べることがあって、それを少しづつ積み重ねていって、改良し続けて過ごしてきたつもりです。
そうして気合いをいれて10年目の今回を迎えたのですが、結果はあまり良くない年になってしまいました。
いちごの収穫量が想定よりもかなり少なかったです。
落ち込みましたし、悔しかったし、とても情けない気持ちになりました。
ただ暗い気持ちも忙しく働いていればそのときは忘れます。
今年はとにかくこの時期まで忙しかったおかげで、営業が終わってから余計なことを考えずに過ごせました。
また、時間がたったことで冷静になって反省することもでき、課題もいろいろ見えてきました。
改良の余地があるということはまだまだ成長できる、とポジティブに考えたいものです。
少し話は変わりますが、皆さんはスタジオジブリの映画『風立ちぬ』を見たことはありますか?
映画のなかで「創造的人生の持ち時間は10年」というセリフがでてきます。
私なりに解釈すると、ある分野で真にクリエイティブに活動できるのは10年間だけ、ということです。
もちろんその分野に挑んでいきなりクリエイティブである人もいるし、
その分野のことをたくさん吸収してはじめてそうなれるヒトもいるし、
反対にいつまでもそうなれない(まだなってない)人もいるでしょう。
果たして何を持ってクリエイティブであると言えるのか、という問題があるのは十分に承知していますが、私の人生を思うにあたり確実に言えることはあります。
それは、
オーナーとふたりでいちご農園をつくり、軌道に乗せる過程は間違いなくクリエイティブな期間だった、ということです。
この世界にまだ無いものを、自分たちの価値感に従って作り出すのは、本当に楽しかったし、エキサイティングでした。
そして、
それから10年経った今シーズンが、私たちにとってクリエイティブでいられる最後の期間だったかもしれないのです。
開業当初からそういう想いでいましたし、尚更今年は気合いを入れて臨んだ次第でした。
結果は残念でしたが。
とは言え、ここからの先のマンモスいちご園が創造的にいられないというのでは困りますので、ちゃんと対策も用意してあります。
それは、この10年間に用意したたくさんのアイデアです。ノートやら携帯のメモやら、いろんなところにたくさん記してあるのです。
昔の、ギラギラしたアイデアがいっぱいあったころの自分に助けてもらおうという訳です。
また、私たちにはおしゃべり好きなお客さまがたくさんついてくれています。
皆様と会話することで、いろいろな気づきやヒントをもらったりもできます。
より良いいちご園にするために、やりたいことはまだまだたくさんあるのです。
開業して10年がたったいま、すこし昔を懐かしく思います。
ガムシャラに邁進した日々や、新しいアイデアを毎日捻り出していた時期です。
たしかに、あの時ほどの柔軟さはいまは失われている気もします。
皆さんは、「創造的人生の持ち時間は10年」というメッセージについて何を考えますか?
よければこんど、お話を聞いてみたいです。
せっかくジブリ映画の話をしたので、もう少しだけこの話題を引っ張りたいと思います。
私は昔からジブリの映画が好きで、金曜ロードショーで放送されたものをVHSで録画してもらい、何度も何度も繰り返し見ました。
ナウシカ、トトロ、ラピュタ、もののけ姫を特によく見ました。
もしかしたらこのあたりに、私がいまの仕事を選んだひとつのルーツがあるのかもしれません。
それくらい、私の人生観に影響を与えていると感じています。
先述の『風立ちぬ』はDVDで観ました。
いや、映画館でも観たかな、、、
というのも、最初に観たときにはあまり印象に残らなかったからです。
大自然に立ち向かったり、共存したりするジブリ作品を好んでいたので、ピンとくるものが少なかったんですね。
でも何年か経って、DVDを借りて何度か観て、時代背景を学んで、そして私自身もいろいろな経験をするようになって、改めて映画に感動を覚えるようになりました。
いまよりはるかに死が身近にあって、時代に立ち向かって生きていく登場人物の強さが好きです。
いちご園をつくろうとあくせく奮闘している当時の自分を、畏れ多くも主役の堀越二郎と重ねていたのかもしれません。
あんまり考えたことなかったけど、だからボサボサ頭の丸メガネ?という風貌に自分を設定しているのかもしれません。
『風の谷のナウシカ』は、その緻密な設定や圧倒的な世界観が大好きです。
是非、漫画を読んでいただきたい。
宮崎駿は天才です。
映画に描かれているのは、マンガ全体の15%くらいじゃないでしょうか?
そして、ナウシカが最後に出した結論について、みなさんとお話ししてみたい。
キツネリスのテト、トリウマのカイとクイがかわいいです。
『となりのトトロ』は昔から何度も見てますが、娘が3歳くらいになってから改めて一緒によく見ました。
カンタのばーちゃんが、3年前に死んだうちのばーちゃんに似ています。
そして、サツキは小学生ぐらいのオーナーによく似ています。
ほんと、性格も雰囲気も、すごい似てます。
『天空の城ラピュタ』は、飛空艇やロボットのメカメカしい描写が好きです。
採掘場やエンジンルームの油っぽい雰囲気も好きです。
農業でもエンジンやモーターなどの動力機械をよく扱いますが、こういった機械は突然調子が悪くなったりします。
その都度修理に頼むこともできないし、急いで使いたい。そうなると、自分でもいろいろメンテナンスができるようになってきて、それがパズーに少し近づけた気がして嬉しいです。
メンテしたエンジンが元気に動き出すと、かわいいヤツだなーって思える不思議。
ラストにじっちゃんが「わしのかわいいボロ船が、、、」って泣くのも共感できます。
しかし、建物や機械に草木が生い茂っているとどうしてこんなにワクワクするのでしょうか。
主題歌の「君をのせて」のイントロの長いバージョンも是非じっくり聴いてほしいです。
「もののけ姫」は、ぜんぶ好きです。
たぶんセリフも、ほぼぜんぶ言えます。
語りたいことはたくさんあるのですが、最近は作中にでてくる動物たちについてよく考えます。
たぶん、ヤギを飼っているからです。
ツノがあるヤギの横顔は、シシ神によく似ていて神々しいです。
映画のなかでは人間と対になる軸として動物が描かれます。
人を襲ったり、集落を壊したりします。
みなさんは動物に対して「怖い」とか「畏れ」とか、そういった感情を持っていますか?
ヤギと一緒に暮らしているとよく思うのですが、動物の本質は暴力です。
いま九匹いますが、ちゃんと序列があります。序列の決め方は、頭突き合いです。決着がつくまでは、血を流してもお互いやめません。
もちろん、人間に対しても自分との序列が不明ならば、頭突きをしてきます。
普通に突き飛ばされます。
押す力がとても強いです。
草しか食べてないのに、なんでコイツらこんなに力が強いんだと不思議に思います。
一方で人間は非力だし、環境が悪ければすぐに死んでしまいます。
私が思うに、ヤギの方が人間よりも遥かに強い生き物です。
そして、当然ヤギよりも強い動物はたくさんいるし、それらの動物と人間が出会ってしまったら、お互いに暴力でその場を解決するしかないと思えるのです。
自分より強い生き物が暴力をふるってくるのは、普通に怖いですよね。
だから人間は、自然や動物に畏れをいだき、境界を決めて踏み込みすぎない生き方をしていたはずです。
でもあるときから、知恵や発明によって動物を一方的に殺すことが可能になって、自然を今まで以上に資源として利用できるようになってしまった。
それがよくわかるのが「もののけ姫」のタタラ場であり、最終的には現代社会に繋がっているのだと思います。
その一方で、アシタカの故郷の「エミシの村」のように、自然や動物を畏れ、敬意をもつことを忘れずに生きていく人々も描かれます。
ただ、かれらは自分たちの考え方では一族の血が衰えていくことにも気づいています。
少し寂しく思います。
あらゆるものがどんどん便利になっていくことや、いつまでも発展が続くことは、本当に当然のことなのでしょうか?
栄えていたタタラ場も、最後は草木で覆われてしまいました。
エボシも「ここをいい村にしよう」と言っています。
世の中そんなに便利じゃなくても問題ないと、わたしは思っています。
そこで、私は考えました。
現代人に失われてしまった感覚を取り戻す、一番手っ取り早い方法を。
それはずばり、ヤギに突き飛ばされることです!
ヤギと出会い、突き飛ばされることで、自分は弱いということ、動物や自然は偉大であることを実感できるはずです。
みんな人生で一度はヤギに突き飛ばされましょう!
(当園ではそういったサービスは提供していませんが)
さて、今回はここまでにしたいと思います。勝手気ままに話しをさせてもらい申し訳ないです。
また来シーズンにお会いしましょう。
ありがとうございました。
